入門に最適なおいしい日本酒 西田酒造『田酒 特別純米』

西田酒造店の田酒 特別純米

お酒の味がわかってきた時にビールの次に挑戦しようと考えるのが、日本酒や焼酎、ワインだろう。
ワインは銘柄が多すぎてなかなか好みの味のものを見つけるのが難しい。
それに比べれば日本酒と焼酎、ウイスキーなどは銘柄はそれほど多くなく、取り組みやすいジャンルだ。

しかし、日本酒が苦手な人は結構いるかと思う。問題はその辛さだ。
キレがよく料理の味の邪魔をしないということで、淡麗辛口の日本酒を置いている飲食店は多く、多くの人にとっては日本酒=辛口という認識だろう。それゆえ、日本酒を飲みなれてない人にとってはアルコール感が強すぎて、辛さばかりが印象に残ってしまう。私自身も長らくそのようなイメージを頂いており、日本酒は“辛くてアルコール度数が高く、ウイスキーやウオッカほどではないが、お酒が得意な人がハードに飲むもの”という認識であった。

そんな認識を大きく覆し、今や私を日本酒党にしてくれたお酒が『西田酒造店の田酒(でんしゅ) 特別純米』である。

日本酒の「吟醸」とか「純米」って何?

日本酒の好き嫌いを語るうえで、まず日本酒の種類について簡単に説明をしたい。
日本酒には大きく分けて「吟醸系」と「純米系」がある。
吟醸酒はお米を60%以下まで磨く(精米する)ことで、酵母に対する栄養分をあえて不足させ、発酵途中で貴重でフルーティなアルコールを発生させてお酒の香りを高めて、スッキリした味わいを実現する方向性の日本酒だが、お米を多く必要とし、また高い技術がないと作ることができないため、一般的に高価なお酒となる。

一方、純米酒はお米を70%以下まで磨き、白米、米麹、水を原料として製造したものをいい、その中でも60%以下まで磨いたものを特別純米という。
純米酒は吟醸酒に比べて香りやキレがないものの、コクが強く、旨みが大きい。軽やかなものもあるが、一般的に濃厚な味で、吟醸酒に比べて安価である。

吟醸酒はいわば香りに比重を置いた日本酒だが、香り成分は水に溶けにくいため、香りを溶かして維持するためにアルコールを用いる。それゆえ、吟醸酒は味にはキレがあり、淡麗辛口となるのだ。

専門的な話でいえば、アルコール添加(アル添)をどう評価するか様々な意見はあり、私自身はアル添を否定するものではないが、ここで特別純米を薦める理由として、他のお酒にはないコクにある。はじめて味わった時は衝撃であった。

アルコールは食べ物の添え物的な存在と認識していたが、純米酒は旨みが深く、お酒自体が一つの料理のような存在なのだ。
誤解を恐れずにいえば、淡麗辛口のお酒は料理と主従関係にあり、お酒はあくまで従属的な立場である。しかし、純米酒は、料理と平等もしくは支配的な立場にあるのだ。
そのような体験をさせてくれたのが、このお酒である。

『田酒 特別純米』ってどんな味?

田酒の特別純米はまず一口目が瑞々しく、アルコールのキレ的なニュアンスが来るかな?と感じたあとにほんのりと華やいだ甘さが口のなかに広がる。甘口のお酒にありがちな、べちゃべちゃとあまったるさが続く平板な甘さではない。旨みがたっぷりとしているのだ。

特別純米は一般的に“米の味がする”などと称され、精米度合が吟醸酒と比べて少ないため、「雑味がある」「野性的な味」などと形容されるが、本品ではそれほどワイルドな味ではない。それゆえ、料理に対して“支配的”とまでいかない絶妙なバランスで仕上がっている。アルコール感も強くなく、本当にすいすいと飲んでしまう。今も文章を書きながら四合瓶(720mL)を開けそうな勢いだ。

また、日本酒といえば熱燗である。吟醸酒は熱燗にするとアルコールが飛ぶことで、アルコールを前提とした味の構成が崩れ、えぐみが露呈してしまうことが多い一方、特別純米は味の深み、広がりに比重があり、常温~高温の方が味が“開く”(広がり、コクがでる)ので、寒い時期にもオススメできる。

欠点を言えば、惜しむらくは一部でプレミア価格がついてしまっていることだ。日本酒でいえば『十四代』や焼酎の『魔王』ほどではないが、定価の1.5倍程度の価格(実勢価格:2,500~3,500円(720mL))で販売されていることが多い。地方であれば普通に定価販売しているので、見かけたら購入した方が良い。

おいしい日本酒を飲んだことがない人は、まずは田酒から飲んでみることを強くお勧めする。

『田酒』=うまクチのお酒が好きな人には、『穀良都(こくりょうみやこ)』『仙禽(せんきん)』『黒龍(こくりゅう)』なども気に入るはずだ。

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